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2008年1月 9日 (水)

焼いた味噌おにぎり

 正月の料理にも飽き、無性に焼いた味噌おにぎりが食べたくなっています。味噌おにぎりみるたびに一緒に遊んだ楽しい子ども時代を思い出すのです。飽食の時代と呼ばれて久しくなりますが、今何が食べたいと言われたら、迷うことなく旨い焼き味噌おにぎりが食べたいと答えるでしょう。
ネットで検索してみても、味噌おにぎりのファンが多いのには驚いています。小さい頃は味噌おにぎりと言えば、何か田舎くさいとか貧乏くさいといったイメージが先行して、旨い食べ物にも関わらず声高らかに言えるものではありませんでした。最近になって年のせいなのか、この素朴なおにぎりが何にもまして最高だと感じるようになりました。

 母親が作ってくれたからなのでしょうか。これまで真剣に考えたことがありませんでしたが、昨年の国内でおきた偽装問題をきっかけに感じることは、おにぎりこそ信頼の食べ物だということです。コンビニおにぎりも嫌いではありませんが、やはり機械よりも人の手で握られたものこそ最高なのです。そこには家族という信頼関係があるからです。直接、母親の手で握られ、素手のまま味噌を塗りつけ、厚く加熱された網で加熱・殺菌されます。ここには作り手に対する信頼関係が介在しているからこそ、美味しく食べられるのだと思います。母親の真似をして味噌おにぎりを作ることもありますが、うまく白焼きができずおにぎりの形が崩れてしまいます。最近になって、網を十分に加熱すると上手く焼けることが初めて知りました。

 焼いた味噌おにぎりの味噌は「仙台味噌」に限ります。宮城県の出身ということもあるでしょうが、米麹と大豆でつくる辛口の米味噌が合うと思います。詳しくは分りませんが、仙台味噌の由来は藩主伊達政宗が、居城である青葉城内に築いた御塩噌蔵と呼ばれる味噌醸造所に端を発すると聞いています。 風味が高く、そのまま食べる事もできるため「なめみそ」と呼ばれることもあるそうです。実家でもかつては親戚分も含めて大量の味噌を作っていました。米蔵の脇に味噌蔵があり、使用する分だけ背丈ほどもある桶から小さな入れ物に分けて使っていました。桶によって三年味噌、五年味噌というように分けられていました。

 そして、仙台で焼いた味噌おにぎりと言えば、やはり定義山です。通称、「じょうぎさん」とか「じょうげさん」と呼ばれていた定義如来で有名な西方寺の境内で売られていたものです。仙台市とは名ばかりで、仙台よりも山形県に近く、仙台駅からだけでも1時間以上も掛かります。定義山では味噌おにぎりだけではなく、三角油揚げや玉こんにゃくも有名でした。こんなことを書いていたら、無性に食べたくなってきました。それだけ仙台市民には馴染み深いものなのです。今年こそ信頼を取り戻す年になってほしいものだと、何でも無い素朴な食べ物「味噌おにぎり」から教えられた気がしました。

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